こんにちは。テックブログの萱場です。
10月17日(火)に開催された、港区立産業振興センター主催のセミナーに参加しましたので、本日はそちらの内容や感想をまとめたいと思います。
登壇者 情報
藤原 光汰 氏
株式会社V 代表取締役 兼 CEO
学生時代にAIレシピアプリ「レキピオ」に創業メンバーとして参画。後にBANKへ入社し、質屋アプリ「CASH」や旅行予約サービス「トラベルナウ」などに関わる。2019年4月にローブスを立ち上げ、5月末にBANKを退社。現在に至る
https://www.wwdjapan.com/articles/999192
深谷 玲人 氏
株式会社DeepValley(ディープバレー) 代表取締役社長
https://newspicks.com/user/1866507/
- アパレル業界に10年経験があり、販売からMD、ブランド長まで経験したのち、ITベンチャー企業ベルフェイスに転職し2年半、カスタマーサクセスとしてインサイドセールスのコンサルティングを実施、双方の経験を合わせ、アパレル業界に特化したIT企業として2018年5月に独立。アパレル生産特化システムの開発と、TokyoFashionTechnologyLabで講師を務める。
内容
深谷さんが進行役で、藤原さんがメタバースの市場概況や活用事例等を紹介していった後、参加者からの質疑応答という内容でした。
感想とハイライト
メタバースというものに関して、ゲーム等もやらないので今ひとつピンときていなかったのですが、現在のメタバース市場で何かを行いたいという場合の核心的なことは理解できたように感じます。
以下、個人的に重要だと思った事柄を書いていきます。
既存のプラットフォームで戦え
メタバースの事業化には約9割が失敗しているという話が出ていました。
藤原さん曰く、その多くは「自分たちでプラットフォームを作ろうとして、失敗しているケースが多い」との事でした。
プラットフォームを作る(オリジナルのメタバース空間を作る)という事は、まずそこに人を集めることから始まり、更にアクティブユーザーを維持していかなくてはなりません。それは、FACE BOOKに似たSNSを新しくサービスとして展開しようというのと同じ事だと思いました。
ニッチでもコミュニティーが形成できれば良いと考えるケースもあるのかもしれませんが、ユーザーの絶対数が増えない限り、オリジナルのプラットフォームで収益化するのは大変そうです。
セミナーで紹介されていた以下のプラットフォームはすでに数億規模のユーザーが世界中で参加しています。
今回のセミナーは「アパレル業界向け」ということもあり、既存のプラットフォームの特徴を掴み、自社ブランドがどのプラットフォームに一番フィットするのかを考えることが重要そうです。
メタバースの主要プラットフォーム
FORTNITE
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ユーザー数: 5億人
年間流通: 5000億円
特徴: 最近では、プラットフォーム内で、有名アーティストのライブが行われるなどしている。
https://natalie.mu/music/news/531546
FINAL FANTASY XIV
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月額課金ユーザー: 数百万人
累計ユーザー数: 2700万人
(セミナー中ほぼ触れられず、、、)
セミナー中は気づきませんでしたが、よく見たら、ファイナルファンタジーでした。アップデートによりいろんなバージョンがあるのか、サブタイトルの方が目立っていますね、、、!
ROBLOX
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月間ユーザー数: 1.5億人
時価総額: 4兆円
特徴: 10代前半のユーザーも多い
MINECRAFT
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月間ユーザー数: 1.4億人
特徴: マイクロソフト傘下。ユニクロ、ラコステ、プーマなどのブランドと現実世界の物販でコラボレーションしている。
ZEPETO
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ユーザー数: 4億人
特徴: 韓国発 若年層(特に女性)のユーザーが多い。
VR CHAT
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月間アクティブユーザー数: 400万人以上
特徴:見た目の自由度が高い。
収益化か販促か
これは、メタバースの活用方法に関して、まず戦略を考える際に、どちらを目指すのかというところで、大きく方向性が変わっていくと言う話です。
3DCGで作成したアバターや衣類を販売して行くのか、それとも販促をメインに考え、コミュニティーの形成や現実世界の物販等につなげるのかという話です。
※フォートナイトでは、「ワールド」という自分で作れるエリアがあり、そこでどれくらいのプレイヤーがプレイしたかでYoutubeの再生回数のように、収益を上げられるようです。
それぞれのプラットフォームに互換性はない
言い換えると、ROBLOXでも販売し、ZEPETOでも販売したい場合、それぞれのプラットフォームに合わせた3DCGを作成する必要があります。
スモールスタートでと考える場合、プラットフォーム選びがより重要になってくる印象でした。
アパレルというよりエンタメ
もしメタバースの活用を考えるのあれば、衣食住としてのアパレル的な発想は通じなさそうだなと感じました。むしろエンタメ業界やゲーム業界に精通している方が、メタバース活用にはフィットしそうです。
その他の部分(質疑応答など)
コストに関して
ピンキリとの話でしたが、1SKUあたり数十万ほどとの事でした。また現在の所、プラットフォームに出店料はないようですが、販売に際しての手数料がかかるようです。
外注した場合の3DCGの質に関して
基本的には、品質差≒ ポリゴン数(滑らかさ)と物理演算の精度(動きの追従性)との事でした。現在は、3DCGモデリングの単価が高騰しているらしく、個のクリエイターで上記の部分と単価のバランスを比較するのが良いようです。
最後に
ここまで、お読みいただきありがとうございました。
メタバース空間は、結構オタク要素も強いようなので、既存ユーザーへの理解が深いほど、「わかっている」と認めてもらえるようです。
まずは、外から眺めているだけではなく、中に入って色々やってみることが大事そうです。
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